2017.05.24

奈良の原風景 江戸時代中期の古民家が現存する街 〜奈良五條新町を訪ねて〜

2017.05.24

奈良の原風景 江戸時代中期の古民家が現存する街 〜奈良五條新町を訪ねて〜

雖見飽奴 吉野乃河之 常滑乃 絶事無久 復還見牟

見れど飽かぬ 吉野の川の 常滑の 絶ゆることなく またかへり見ぬ  『万葉集』 柿本人麻呂

伝統あるお餅屋さん

街の中を流れる吉野川

五條新町は吉野川の清流に沿って伊勢、大和、紀伊を結ぶ街道が交差し、昔から人々が多く行き交った歴史的魅力が溢れる奥の深い町。

吉野川の河川敷

吉野川は古くは万葉集にも詠まれ、今なおその風情に満ちた川は変わることなく流れ続けています。奈良に平城京が置かれた奈良時代(710-794)の間に建てられた寺社仏閣や仏像がとても良い状態で保存されており、対して江戸末期まで激しい変動の続いた京都では稀にしか見ることができません。また東にある高野山金剛峰寺までも近く、ここを拠点に巡礼の旅に出かけてみるのもおすすめです。五條新町には真言宗の宗祖・空海(弘法大師)伝説の地が多く残ります。

桜とオーナーさん

お話を聞かせてくれたのは「やなせ屋」のオーナー北山さん。訪れる人に五條新町の魅力を広く伝えたい、そんな思いでやなせ屋を続けてこられました。

やなせ屋に滞在しに来てくれる方には、この町の魅力を最大限楽しんでもらいたい。だからその都度一番合った方法でおもてなしすることを考えています。今までには、希望された方に琴の演奏や日本舞踊を離れの間で披露したこともありましたね。ここが日本の文化発信の場となれば何より。外国の方でもせっかく日本に来ても大阪あたりで買い物だけして帰ってしまうのは、残念やけど、それはそれで仕方がないこと。でもうちに泊まられる方には、ぜひ日本の原風景を知ってもらいたいです。それが使命と感じています。”

オーナーさん

旅に出れば新しい発見や出会いがある。当たり前のようだけど、そういえばこんな風に「人と出会う」って今までにあったかな。街や歴史の話も、そこで暮らす人から聞けばより一層親密に感じられます。

五條新町は2010年に国の重要伝統的建築物保存地区に指定されました。地区の中央に位置する「やなせ屋」も元は医院の客間と蔵だった古民家を改修し、一棟貸し宿として新たに誕生しました。

夜のやなせ屋外観

企画には古民家改修に詳しい東洋文化研究者のアレックス・カー(Alex Karr)氏が携わっており、日本の伝統家屋の良さを残しながら、老朽化や不便さを見事に解消しています。

蔵のベッドルーム

離れの居間

古く味わいのある梁天井や調度品とガラスやモダン家具の組み合わせは新鮮な印象を与えてくれます。必要なものを使いやすいように、そして自然と共に永く生きられるように。古き時代の人の知恵が随所に感じられる、私たちに人の暮らしのあり方を問い直してくれる宿。

ぜひ一度、訪れてみてはいかがでしょうか。

江戸時代中期の風景が残る街で、のんびり滞在してみませんか?

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